LPガスの概要
LPガスは、低い圧力を加えると簡単に液化し、体積も約250分の1となるため、大量のエネルギーを小さな容器で運ぶことができます。
そして消費する時は気体(ガス)として利用できるコンパクトで利便性の高いエネルギーであるという「他に類のない特性」があります。
このため、LPガスは、家庭用、業務用、産業用等に都市部から離島や山小屋も含め、約2,600万世帯(全世帯の半数以上)、全国津々浦々に供給されています。
一方、都市ガスは、導管によるガス供給のため、都市部での供給に限られているので、全国土の5.5%のエリアで供給しているにすぎません。
LPガスの供給形態
LPガスの供給(販売)には、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(以下「液石法」という)」に係わるものと、「ガス事業法」(以下「ガス小売事業」という)」に係わるものがあります。
両者の違いは、「液石法」は供給設備(ボンベ庫等)から供給する戸数(メーターの数)が70戸未満の場合に適用され、販売業者は都道府県知事(若しくは経済産業局・省)に届け出る必要があります。
一方、「ガス小売事業」は供給設備(ボンベ庫等)から供給する戸数(メーターの数)が70戸以上の場合に適用され、経済産業局への事業登録が必要です。
当社に於ける「ガス小売事業」による販売地点は次の通りです。
※名称は登録している地点群名 |
LPガスとは
LPガス(LPG)とは、Liquefied(液化) Petroleum(石油) Gas(ガス)の頭文字をとった液化石油ガスの略称で、プロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分とする炭素と水素の化合物です。LPガスは常温常圧では気体ですが、圧力を加えたり冷却することによって簡単に液体になります。冷却して液化する温度はプロパンで-42℃、ブタンで-0.5℃です。
一方、メタン(CH4)を主成分とする天然ガスを液化したものをLNG(Liquefied Natural Gas)と言いますが、LNGは-162℃に冷却しないと液化しません。また、常温(20℃)状態においてプロパンは約0.8MPa、ブタンは約0.2MPaで加圧すれば容易に液化しますが、LNGの場合は-82.6℃より高い温度では、いくら圧力を加えても液化しません。
現在国内で利用されているLPガスは、輸入LPガス(約4分の3)と国産LPガス(約4分の1)から構成されています。輸入LPガスは、サウジアラビアをはじめとした中東地域やその他の地域において、原油や天然ガスに随伴して生産されます。また、国産LPガスは国内で石油を精製して製品化されます。
LPガスの性質
LPガスは、常温常圧では気体ですが、圧力を加えたり冷却することによって簡単に液体になります。 LPガスは、液体にすると気体の時の体積の約250分の1になるという特徴があり、液体のまま家庭、商店、LPガス自動車、工場等に運び、気体にして利用します。また、カセットボンベ、ライター、スプレーなどにも、持ち運びに便利な特性が活かされています。
LPガス(プロパン)は、気体の状態で、空気より1.5倍重く、空気中に漏れると低いところに溜まります。また、液体の状態では水よりも0.5倍(水の半分)の重さです。
LPガス自体は無色無臭のため、漏洩時に確認出来るように臭い(玉ねぎの腐ったような臭い)がつけてあります。
この着臭剤はLPガスよりも気化するスピードが遅いため容器(ボンベ)内のLPガス残量が少なくなってくると濃度の濃い着臭剤が残り、通常のご使用状態で炎からガス臭がしたり、容器の設置場所付近でガス臭がすることがあります。
※ガス臭がするときは販売店に連絡し調査をしてもらいましょう。
LPガスの特徴
環境にやさしいクリーンエネルギーとしてLPガスのすぐれている点は、次の通りです。
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LPガスは、環境によいことと併せハイパワーで高品質なガス体エネルギーなのです。
また、LPガスは災害が起きた時の復旧、避難所等への対応が早く、災害に強いエネルギーです。
※阪神・淡路大震災の時にも12日間で復旧しました。(都市ガスは85日間)
家庭用エネルギーは、ベストミックス
家庭で使われているエネルギーは、ガス、灯油、電気、太陽熱などで、熱量の構成比率はガスが33%、灯油20%、電気46%、太陽熱など1%となっています。ガスの33%のうち、およそ4割がLPガスとなっています。
日本のエネルギーはほとんどを海外から輸入していることから、安定したエネルギー供給を確保することが大切です。そのためには、1つのエネルギー源だけにかたよるのではなく、いろいろなエネルギーに分散することが望まれます。
家庭では、厨房、給湯、暖房、冷房、照明など、その用途に応じた利便性と経済性を考え、利用するエネルギーを上手に使い分けることが重要となります。このことを「エネルギーのベストミックス」といいます。
ガスの利用範囲は広がり、厨房用や給湯用のほかに、床暖房用、浴室暖房・乾燥用、また分散型発電としての燃料電池への利用に大いに期待されています。